政治・経済

松本市立病院の基本設計に異論 市会特別委が継続協議に

令和10年開業を目指す新たな市立病院の完成予想図

 松本市立病院(波田)は、令和10年3月開業を予定する新市立病院の基本設計をまとめ、25日の市議会病院建設特別委員会に示した。現在の波田中央運動広場に鉄骨5階建てで耐震構造の建物を建てる内容で、新病院の完成予想図や開院後の収支計画などを示した。委員からは、病床稼働率の設定などに疑問の声が相次ぎ、継続協議となった。これを受けて開業時期が遅れる可能性がある。

 委員会では新病院の経営収支のほか、耐震性などへの質問が相次いだ。開院後に95・4%としている病床稼働率について「見通しが楽観的すぎる」など厳しい声が出て、委員14人の意見集約は了承7人、継続協議7人となり、芝山稔委員長の判断で継続協議となった。
 新市立病院の総事業費は近年の労務単価や建設資材の高騰があり、基本計画の約87億4000万円から約37億円増となる約124億7000万円を見込んだ。市立病院側は来年度に実施設計に取りかかる予定だったが、再び同委員会に基本設計などを示すことになった。北野喜良病院事業管理者は「しっかりと説明してきたつもりだが、理解を得られず残念。今後も説明を尽くしたい」と話していた。