地域の話題

ワインだる 憩いの場に 塩尻の高出地区が広場を整備

ワインの大だるが設置され桔梗小児童が路面にペインティングをして完成させた

 塩尻市の高出地区は市道・志学館高校東線沿いにワイン醸造の大だるを設置し、「ぶどうとワインの学びの家」と名付けて地域住民が憩える広場を整備した。市内のワイン産業の歴史文化に触れられる。25日に区役員や関係者、近くの桔梗小学校の児童ら約50人が集ってお披露目会を開き、児童が路面に塗料で絵を描くなど最後の仕上げをした。

 令和3年3月に開通した市道の脇にある三角形状の土地で、地元区が管理する市有地に広場を設けた。
 横置きの大だるは、高さと幅が2.5メートル、奥行きが2.1メートルで、階段が付き、中に入ることができる。内部には椅子を置き、市内で栽培されるワイン用ブドウ21品種を写真と文で紹介した。周辺に、小さなたるを加工した休憩用テーブルや、たるから人形が飛び出す人気のおもちゃを模した写真スポットも置く。
 市の「ふれあいのまちづくり事業」で令和4年度と5年度に取り組んだ。現メルシャンが所有した大正6(1917)年製作の7600リットル用のたるを、高出区区長会が購入。桔梗小にアイデアを募り、6年2組(当時5年生)が寄せた意見を参考に整備デザインを決めた。地区区長会長を経験した地元・高出3区の小林清人さん(72)、栗山久利さん(67)を中心に作業した。約70万円の事業費をかけた。
 お披露目会では、高出地区区長会の塩原茂生副会長が「地域のよりどころになれば」とあいさつ。6年2組の児童約30人は、「けんけんパー」遊びの輪などを、下絵に添って路面に塗料で描くのに夢中になった。山下希和さん(12)は「地域を盛り上げようという思いが届いた」、阿蘇遥さん(12)は「形に残る思い出はそう多くない。ずっと残していきたい」と話した。