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子供の防火啓発任せて! 松本市消防団女性部が4年ぶりに園の巡回再開

「約束できますか?」「ハーイ」。火の出る道具の適切な扱い方について、園児と約束する女性部員たち(松本短大幼稚園)

 松本市消防団の女性部は今月、大型紙芝居などを使って子供たちに火災予防を呼び掛ける防火啓発活動を4年ぶりに再開した。たき火の制約やオール電化住宅の普及が進み、火の取り扱いを身近に学ぶ機会が減る中、火の恐ろしさや適切な使用を知ってもらおうと平成14(2002)年から継続している。近年は新型コロナウイルス禍で実施を見送っていたが「啓発の灯は明日への投資。消してはならない」と各地へ出向く。

 今月15日、松本短大幼稚園(松本市寿台7)に女性部長の小澤悦子さん、副部長の北野理恵さん、前部長の青山聡子さんの姿があった。年少~年長園児130人を対象にした防火啓発活動だ。
 興味津々で待つ子供たちに「今日は火事にならないためにはどうすればいいか考えよう!」。出来心でライターを手にして火事を起こしてしまった男の子と、大惨事を防ぐ消防団を描いたオリジナルの大型紙芝居を披露した。火事の原因になり得る道具をクイズ形式で当てるパネルシアターも実施。マッチ、ろうそく、ガスこんろや線香のイラストが登場すると、子供たちは「ダメ!」「あぶない!」と口々に声を上げ、最後に全員で「子供だけでは絶対に使わないお約束」をした。
 女性部はこれまでに3作品の啓発紙芝居を制作。市内全域の保育園を回るなどして子供たちの防火意識を育んできた。再開を機に今後も希望する園を中心に日程を調整していく。
 小澤さんは「学んだ内容を家族に伝える子供も多いと聞く。意識が広がればうれしい」。青山さんは「啓発活動は消火や救助と並ぶ消防団の大切な使命。地域を守るためにも続けていきたい」と話している。