教育・子育て

木曽町出身のベーシスト・鈴木良雄さん 母校の福島小で凱旋演奏会

記念撮影をする鈴木良雄さん(中央)と児童。鈴木さんの生演奏と、優しく温かい人柄に触れた児童は大喜びだった

 日本を代表するベーシストとして活躍する木曽町出身の鈴木良雄さん(77)が18日、母校・福島小学校(木曽町福島)で初めて、ミニコンサートを開いた。全校児童205人が地元の大スターの演奏に浸るぜいたくな時間を過ごし、鈴木さんの生まれ故郷・木曽への愛情を感じ取っていた。

 鈴木さんはスズキ・メソードの創始者である鈴木鎮一さんのおいで、小学校6年生まで旧木曽福島町で育った。早稲田大学モダンジャズ研究会を経て、ジャズミュージシャン・渡辺貞夫さんに師事した。
 午前8時15分、「こんなに早く起きたことはなくって震え上がっちゃう」とほほ笑みながら同校体育館に登場した鈴木さんは、大勢を前に「70年前に通っていた学校で演奏できるなんて思ってもみなかったこと」と感慨を込めて語った。
 音楽専科教諭の久保勝哉さん(42)と一緒に、ピアノとベースの担当を交代しながら「いつか王子様が」「枯葉」を演奏し、ロシア民謡「黒い瞳」のベースソロもあった。6年生児童は「初めて生で聞いた。ジャズアレンジした『いつか王子様が』は好みで、プロのすごさを感じた」と話していた。
 大先輩の演奏を聞いた児童は大盛り上がりで、新しいファンが生まれていた。鈴木さんに握手やサインを求める子がたくさんおり、自分が着ているTシャツと紙にサインをしてもらった3年生・中村湊真君(8)は「急いで教室からペンと紙を取ってきた。うれしい。宝物にする」と目を輝かせた。
 鈴木さんが木曽でライブを開催する時に助力する友人・知人が母校での演奏を提案し、学校との間をとりもって実現した。鈴木さんのファンの一人でもある久保さんは「木曽郡出身者に、こんな素晴らしい偉人がいることを知り、子供たちが地域に誇りを持ってほしい」と願っていた。