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平安文学の魅力伝えたい 塩尻在住 高知県立大学名誉教授の東原伸明さん20日から講座

聴講を呼び掛ける東原さん

 塩尻市出身で高知県立大学名誉教授の東原伸明さん(64)が20日、専門の平安文学を中心とした全4回の講座(信州アルプス大学校主催)を、市民交流センター・えんぱーくで始める。昨春帰郷し、故郷の人々が古典に親しむ機会をつくりたいと企画した。初回は、NHK大河ドラマ「光る君へ」の放映開始に合わせ、日本最古の長編物語「源氏物語」を取り上げる。

 「『光源氏』とは何か―プレイボーイとは異なる古代物語の主人公」がテーマ。主人公・光源氏と数々の女性との恋愛を描いた華やかな物語│という一般的なイメージに対し、身分を落とされた光源氏が、女性と関わりながら権力を形成、再興する壮大な道筋を描いた作品として捉えてもらう。
 東原さんは松本工業高校卒業後、国学院大学文学部に進学。学生グループ「王朝文学研究会」で源氏物語などの研究発表に打ち込み、平安文学研究の道に入った。大学非常勤講師を経て、平成9(1997)年から高知女子大学、校名変更後の高知県立大学で助教授、教授として教えた。昨年3月に早期退職し、大門五番町の実家に戻った。
 「古典が年々読まれなくなる状況に危機感を感じる。敷居が高いイメージを崩し、読み手、あるいは研究者として古典に関わってもらえたら」と語る。
 初回と2月12日の2回目は午後1~3時。2回目は竹取物語をテーマに開く。3回目は元号・令和と万葉集、4回目は伊勢物語と大和物語がテーマで、日時未定。聴講無料(資料代100円)。申し込み不要で、先着70人。
 問い合わせは東原さん(電子メールn_figaro_0917@yahoo.co.jp、電話0263・52・3068)へ。

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