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小正月に火おこし 男衆が「お日待ち」 上松町小川近所の伝統行事 4年ぶり

今年一年の無病息災や五穀豊穣などを祈りながら火おこしをする住民

 上松町小川近所地区に伝わる小正月の伝統行事で、住民の無病息災や家内安全、五穀豊穣を祈る「お日待ち」がこのほど、4年ぶりに行われた。体力自慢の男衆が交代で木板に木の棒をこすり合わせて、昔ながらに火おこしをした。

 東里農業生活改善センターに設けた祭壇前で行い、ヒノキ板に開けられた穴に「ヒモミ」の別名で知られるムラサキシキブの幹を垂直に立てて両手をこするようにして動かした。約30人が見守る中、男衆は「(摩擦の)熱が冷めないうちに次の人に代わって」「あともうちょっと!」などと声を掛け合いながら手を動かし続け、最後には火おこし器の力も借りて30分ほどかけて小さな火だねを起こした。
 火だねはろうそくに移して祭壇に供えた後、ちょうちんに火を分けて各家庭に持ち帰った。原瀬里飛さん(18)=木曽青峰高校3年=は「小学校以来の挑戦で、見た目以上に手が痛くなった」と話しながら、火が付いたことを喜んでいた。

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