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鎖川カボチャ特産化を模索 生産組合が収量拡大目指す

蔵出しマロンかぼちゃを手に生産拡大や品質向上を願う上條顧問、中沢組合長、中村副組合長(右から)

 松本市や塩尻市、朝日村の生産者でつくる「鎖川南瓜生産組合」が、「蔵出しマロンかぼちゃ」のブランド化を進めている。甘さとホクホクとした食感が特長で、中京・関西圏で販売し、需要が高まりつつある。ただ、組合員の高齢化や気候変動で生産量に課題があり、今年は新たな一手として栽培の省力化が図れ、食味がよい新品種を試験導入する。生産拡大へ仲間も募っている。

 12日に松本市の今井地区地域づくりセンターで栽培講習会を開き、種苗メーカー担当者から新品種の特徴や栽培の要点を学んだ。新品種はつるの節間が短く、株元に着果するため安定して大きくなる。畝の上や際にそろって実が付き、収穫時に実を探す手間が少ない。
 組合は約20年前に数人で活動をスタート。元組合長で顧問の上條義三さん(83)=松本市今井=の呼び掛けで仲間が集まった。現在は約30人が松本市今井、和田、神林、笹賀、梓川、塩尻市、朝日村で栽培。蔵出しマロンかぼちゃのブランド名は令和元年から用い、減農薬や食味へのこだわりを盛り込んだ独自のマニュアルや出荷規格で生産している。糖度は一般的なものより数度高い15度以上を目安とする。出荷量は冬至向けを中心に例年約1万ケース(1ケース10キロ)を目標とするが、昨年は干ばつや高温の影響で例年の半分程度だった。
 中沢茂人組合長(73)=松本市今井=は「省力化は大事。需要に応えるため仲間も増やしたい」と願い、中村守一副組合長(73)=朝日村西洗馬=は「味で勝負できるおいしいカボチャを作りたい」と話している。問い合わせは中沢組合長(電話090・2202・1090)へ。