政治・経済

新市立博物館構想見直し 安曇野市 検討委が始動 2年後に複数案提示

新市立博物館整備方針検討委員会の第1回の会議

 安曇野市は、平成27(2015)年度に策定した「新市立博物館構想」の見直しを始めた。新市立博物館を新規建設し、そこにいくつかの既存施設を統合する方針が示されていたが、財政状況などを理由に実質宙づりになっていた。有識者らでつくる「市新市立博物館整備方針検討委員会」で、あらためて博物館施設の再編整理の方向性を検討する。

 市の博物館や美術館は9館あり、多くは建物の老朽化が進む。収蔵スペースが少なく、バリアフリー施設も不十分であることから、構想では比較的新しい貞享義民記念館を除いた博物館施設を、新市立博物館か文書館に統合する方針を定めた。
 しかし、財政に制約がある中で建設場所が決まらず、構想策定から5年後をめどにしていた「新市立博物館準備センター」も設置できていない。近隣自治体での新博物館の開館、学校の博物館利用の増加など社会情勢も変化していることから、既存施設を改修して新市立博物館とする選択肢を含めた案を再検討することとした。
 11日には市役所で1回目の新市立博物館整備方針検討委員会を開き、県立歴史館特別館長の笹本正治さんが委員長に就いた。会議では、検討事項や今後の流れを確認。笹本さんは「地域文化を創造、継承するとりでとして博物館や美術館の役割は大きい。市民にとってどう役立つかという視点で考えていきたい」と力を込めていた。
 委員会は博物館の整備方針について複数案を検討し、令和8年1月ころに3~4案を市長に提案する。

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