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木曽駒高原の活性化 模索 住民・事業者 定期的に会合 来冬にも町に要望・提案へ

木立に包まれた木曽駒高原の別荘地。一帯にゴルフ場やキャンプ場、公園、宿泊施設などがある(奥は木曽駒ケ岳)

 木曽町の福島、日義両地域にまたがる「木曽駒高原」が、転機を迎えている。戦後の観光開発で生まれたレジャー施設の閉鎖などが相次ぎ、一帯の人口減少・少子高齢化が進む一方、誘客効果が期待できる新しい施設が誕生している。地元の住民や事業所は将来のあり方を探り、定期的な集いを開き始めた。集約した意見は高原の活性化策として町に提案・要望したい考えだ。

 木曽駒高原は、木曽駒ケ岳北麓の標高1000㍍前後に広がる。森林公園やキャンプ場、ゴルフ場、ホールを備えた文化公園、多くの別荘、ホテル、ペンションがあり、国道19号沿いには道の駅がある。
 町日義支所などによると、かつてはナイター設備を持つスキー場があり、冬場も大いににぎわったが約20年前に閉鎖。新型コロナウイルス禍などもあって、近年は複数あったゴルフ場の一部や宿泊施設の閉鎖が続いた。別荘の撤退・解体も進み、人口も減った。
 ただ、スキー場跡地を活用して無料でキャンプなどを楽しめる民間の「木曽駒冷水公園」が昨年誕生し、新たな魅力が生まれている。周辺は平安末期の武将・木曽義仲ゆかりの地で、近世中山道の宿場もあり、歴史文化の里だ。JR中央西線原野駅、宮ノ越駅があり、交通アクセスなどは比較的恵まれている。
 住民らは先月、「木曽駒高原一帯の将来を考える集い」を初めて開いた。高原一帯の原野、正沢原、宮ノ越、大原地区と日義地域の観光事業者らが参加し、事務局は町日義支所と、移住促進担当の町民課職員が担う。
 これから集いを重ね、次回は2月に開く予定だ。にぎわい創出や人口減少対策などについて意見を交わし、早ければ来冬にも町政策諮問会議で町に何らかの要望・提案を行いたいという。日義地域自治協議会長の平井武平会長は「地域全体を面的に捉え直して、居住地の確保や観光施設の利用者増加につなげたい」と話している。