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新DMATカー初出動 能登地震の医療支援 木曽病院 被災地で搬送活動 CFの資金協力に感謝

被災地から木曽病院へ戻り、DMATカーの前で職員へ活動を報告する隊員たち

 クラウドファンディング(CF)で資金を募り令和4年に更新した県立木曽病院のDMAT(災害派遣医療チーム)が使う救急車両「DMATカー」が、最大震度7を観測した能登半島地震で初めて大規模災害の被災地へ出動した。大きな被害があった石川県珠洲市へ向かい活動してきた隊員たちは、あらためて資金協力に感謝を述べた。

 CFは令和3年にインターネット上で行い、全国から約3750万円が寄せられた。資金を基に医療機器や資材を充実し、4年4月に納車された。
 能登半島地震では、DMATの6人が2日に木曽町福島の木曽病院を出発。半島北端の珠洲市まで、複数台の車両隊で陸路で向かった。3~4日に、現地の病院から近くのドクターヘリの離着陸場まで患者を搬送するなど活動し、5日に木曽町へ戻った。
 旧車両は平成11(1999)年式で、老朽化によるエンジン回りの不調などがみられる状態だった。珠洲市への道中は地震による土砂崩れなども各所にあり、CFを担当し被災地にも向かった看護師の古瀬貴大さん(28)は「今回のような長距離で険しい道のりの移動は、旧車両だと車自体のトラブルに不安を感じる状況だった」と話す。「更新のおかげで医療に集中することができた。あらためて協力に感謝申し上げたい」と述べ、引き続き車両を医療のため活用していくことを誓った。