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生活介護事業行う「夢の実」 利用者送迎の車購入でCF

販売作品を並べ、支援を呼び掛ける原さん夫妻

 障害福祉サービスの生活介護事業などを手掛ける特定非営利活動法人「夢の実」(安曇野市穂高)が、利用者の送迎や日中活動に欠かせない自動車を購入するため、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。法人関係者有志が27日と28日に、売上金を購入費に充てる作品展示会も開催する。感染症禍や物価高で厳しい事業環境にあるとして、支援を求めている。

 就労継続支援B型事業所も運営する。所有車計3台を施設間で共用し、自主製品のクッキー販売や資源物回収もまかなっていたが、うち1台が修理不可能な故障で廃車に。中古のミニバンとタイヤの購入にかかる120万円をCFの仲介サイト「レディーフォー」で31日まで募集する。
 障害者総合支援法に基づき、事業者がサービスを提供した対価として受け取る報酬は、利用者が出てこられない日は発生しないという。一方、職員に支払う給料は報酬が原資で「感染を恐れた利用控えが依然みられるが、職員は常時確保しなければならず運営は苦しい」。加えて「追い打ちをかけるような物価高。事業収益から支払う利用者の工賃確保も容易ではない」と訴える。
 収益を補うバザーやイベントの自粛続きもたたる中、同法人副理事長の原孝雄さん(65)と妻の千賀子さん(66)が、寄付金を捻出する展示会を自主企画。原さんが、同法人の生活介護事業所を利用する次女・由香里さん(37)の日常を描いた著書の原画やポストカード、千賀子さんが古布を使って創作したバッグやポーチなどを、千賀子さん運営の「カフェNOHOHON」(穂高)で両日とも午前11時~午後3時に販売する。原さんは「一人でも多くの方に現状を知ってほしい」と話す。
 問い合わせは原さん(電話090・5818・8484)へ。