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漆器産地の絆 木曽平沢で募金 能登半島地震支援

木曽くらしの工芸館のレジ横にいち早く設置された、能登半島地震の義援金を募る箱

 石川県能登地方を震源とする大地震を受け、塩尻市木曽平沢の木曽くらしの工芸館は3日、被災地を支援するための義援金を募り始めた。木曽平沢は同じ漆器の産地として、被害が甚大な輪島市などと交流がある。館内のレジ横に募金箱を置いて協力を呼び掛けている。

 工芸館は年始の営業初日で、運営する一般財団法人塩尻・木曽地域地場産業振興センターの職員が話し合い、急きょ設置した。日ごろアンケート調査で使う木箱を用い、店の従業員や買い物客が小銭やお札を入れていた。
 石川県内には輪島市のほか、加賀市の山中温泉に漆器の産地がある。特に輪島市は職人が修業などで行き来し、仕事の取引先も少なくない。今回の地震で老舗漆器会社のビルが倒壊した。地場産業振興センターがある富山県高岡市や新潟県三条市、塩尻市の姉妹都市の糸魚川市も被害に遭っている。
 北陸地方に知人がいる工芸館の太田洋志専務(53)は「映像で見た限り大変な被害で広範囲に及ぶ。北陸は関係性がより近いので、何かできることをしたい」と話した。募金箱は当面の間設置し、寄せられた善意は、現時点で日本赤十字社を通じて被災地に届ける考えだが、漆器組合など地元団体とも相談するという。