地域の話題

麻績・矢倉の成人奉告祭 少子化でことし限りに

真剣な表情で神事に臨む小山さん(左)

 麻績村麻の矢倉地区の矢倉諏訪神社で2日、地区の二十歳になった若者を祝う成人奉告祭が開かれた。矢倉出身で、東京外国語大学2年生の小山由希子さん(20)=東京都国分寺市=が両親と参列し、地区の役員ら7人と成人を迎えられたことを祝った。

 宮坂宗則宮司(53)が新年の歳旦祭とともに執り行った。小山さんは母親の美津子さん(55)が成人式の時に着たという青緑色の落ち着いた色合いの振り袖を身に着け、真剣な表情で神事に臨んだ。
 矢倉で長年続く行事だが、地区内で小山さんを最後に子供がいないため、今後開く予定はないという。麻績村内でも成人奉告祭を開いていた地区は多かったが、少子化などで多くが取りやめ、矢倉地区だけになっていた。
 小山さんは「地区の皆さんに祝っていただき、身が引き締まる思い。麻績が好きなので、将来は戻ってきたい」と笑顔だった。平田吉泰区長(71)は「小山さんの元気に頑張っている姿をうれしく思う。20歳より下の子供はいなくなるが、多くの出身者が神社の春と秋の祭りには帰ってきて、ここを忘れていないことはうれしい」と話していた。