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木曽の礎築いた山村蘇門公顕彰 没後200年に合わせ代官屋敷で企画展

山村蘇門公の功績を学べる企画展の会場。木曽町をはじめ、塩尻市奈良井や木祖村などの個人から借りた資料も展示されている

 江戸時代に木曽を治め、福島関所を守った尾張藩の木曽代官・山村家の9代目当主・山村蘇門公(1742~1823)の没後200年に合わせた企画展が17日まで、木曽町福島の山村代官屋敷で開かれている。全館を活用した初めての企画展で、書状や版木、掛け軸など資料65点を並べた。深刻な財政難や飢饉を乗り越え、文化振興にも尽くして木曽の礎を築いた偉人の功績を学ぶことができる。

 蘇門公の生涯をたどる五つのテーマに分かれている。蘇門公への理解を深めてもらうため、展示資料に説明書きや書き下し文を用意し、分かりやすい展示を目指した。
 漢詩をたしなみ、学問に親しんだ蘇門公を紹介するテーマ「蘇門の学問と詩作」では論語などの一節を引用したり、題詠した和歌を書いたりした掛け軸が並ぶ。全国の文化人と交流し、政治的難局を乗り越えた時代の蘇門公を知ることができるテーマ「天明の飢饉と尾張藩家老」では、財政再建に協力した商人の恩に報いるため、武士の格式を与える書状などが展示されている。
 担当した町教育委員会生涯学習課の牛丸景太さんは「蘇門公の功績を通じて、これからのまちづくりや、郷土愛の育みにつながるようなきっかけになれば」と話している。
 午前8時半~午後4時半(14日休館)で、入館料300円(小中学生半額、町民無料)。