政治・経済

朝日村水不足に地域が支援 村民には節水呼び掛け

各世帯へ供給する水をためておく大尾沢浄水場の配水池(写真奥)へ水を投入する給水車

 夏以降の雨不足の影響で、朝日村簡易水道の水源となっている大尾沢の水量が大きく低下し、安定した水道水の供給が厳しい状態が続いている。村内の大半の世帯へ供給する湧水の水源だが、例年の3分の1程度に落ち込む異例の事態だ。断水の恐れもあり、村は先月末に渇水対策本部を立ち上げ、村民に節水を呼び掛けている。8日には松本、塩尻両市から給水車の応援を受け、村内の別の水源から運んだ水(約77トン)を大尾沢浄水場内にある配水池へためる作業を進めた。

 大尾沢浄水場は、御馬越・御道開渡・大石原地区を除く村内全域へ水を供給し、大尾沢と鎖川の支流・舟ケ沢を水源とする。記録的猛暑や秋雨の少なさが影響し、村内観測地点での8~10月の総雨量は、197ミリで前年同期の406ミリの半分以下にとどまった。水源は例年より水量が少ない状態が続き、11月下旬から顕著に。1日当たり約50~60トン取れる水量は約20トンに低下している。
 8日の作業は、御馬越・御道開渡・大石原地区の水道水源である地下水を、御馬越の集会施設そばの消火栓から取って給水車に入れ、大尾沢浄水場まで運んだ。2~4トンの給水車4台が朝から夕方まで7回ピストン運行した。18日以降は移動式のろ過機器を借り受け、舟ケ沢の水を有効活用し水量を補う計画だ。
 対策本部では1~2月の渇水期へ向けた警戒を強化。将来的な安定水源確保のため井戸を掘る研究や、別水源同士の水道管連結の研究を進める方針も確認した。小林弘幸村長は「断水を回避するため、力を尽くしている。水道水を作る量に対し使う量が上回っているのでこまめに節水してほしい」と協力を呼び掛けている。