連載・特集

2023.12.27 みすず野

 昨日付小紙の「仕事に効きそうな書籍」の記事を興味深く読んだ。経済アンケートで答えていただいた書名が上がっているのは16冊。この中に読んだことのある本は1冊もなかった◆全く知らない書名も何冊かあり、正月休みに読んで「自分をパワーアップするのもよいかもしれない」と書かれた記事に、そうかもしれないと少しうろたえながらうなずいた◆このうち『人は愛するに足り、真心は信ずるに足る』(岩波現代文庫)は、アフガニスタンで戦乱や劣悪な自然環境の中、人々の命を救うために活動し、4年前凶弾に倒れた医師・中村哲さんに、ノンフィクション作家・澤地久枝さんが、その活動の思いなどを聞いているという。ずっと気になりながら、また今度、と思って手に取らずにきたがこれは読んでみよう◆こうした一覧表を見せられると、知らない本がいかに多いか、知っていると思っている範囲がいかに狭いかを教えられる。アンケートに回答された127社の方々の〝守備範囲〟の広さがうかがい知れる。小欄を書くために役に立たない、「効かない」本など1冊もない。という大義名分ができたので、ちょっと書店まで。