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命守ったヘルメットに名前付けて 自転車重傷事故時に着用 塩尻警察署など高校生に着用呼び掛け

男子高校生の頭を守ったヘルメット。衝撃で後部が割れている

 塩尻市広丘吉田で9月に発生した重傷交通事故で、松本市の男子高校生が乗用車にはねられた際、ヘルメットをかぶっていたため命が守られた。塩尻警察署と塩尻交通安全協会、塩尻市は、ヘルメットの大切さを表すエピソードとして着目。同じ高校生に着用の大切さを感じてもらおうと、このヘルメットの名前を募集する企画を、市内高校3校で順次行っている。

 事故は9月29日午後6時半ころ、広丘吉田の市道で発生した。高校生が自転車に乗って横断歩道を渡っていたところ、右から来た乗用車にはねられた。同署によると、高校生はフロントガラスに頭部をたたきつけられた後、約20メートルはね飛ばされた。右肩甲骨を折るなどのけがを負ったが、ヘルメットが頭を守ったという。ヘルメットの後頭部に走る亀裂が事故の衝撃を物語る。
 募集企画はこの高校生の協力を得て実施。24日まで塩尻志学館、27日~12月1日に田川、4~8日に東京都市大学塩尻で、事故に遭ったヘルメットと応募用紙、応募箱を置く。決定した名前は、市民交流センター・えんぱーくでヘルメットと一緒に展示してお披露目する。最優秀賞など10人に自転車用ヘルメットを贈呈する。
 4月の改正道交法施行で、自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化された。一方、警察庁の調査(7月3~21日の平日)では、県内の着用率は17.3%(全国は13.5%)とまだまだ低い。塩尻志学館生徒指導主事の風間勇一郎教諭によると、高校生への浸透も不十分で、「面倒臭い」「髪が乱れる」などの理由が考えられるという。
 同署交通課の柿澤弘充課長は「名前の応募を通じ、ぜひ前向きにヘルメットをかぶるきっかけにしてほしい」と話している。

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