園児バスの置き去り防げ 松本市内の幼・保・こども園で対策進む

静岡県の認定こども園の送迎バスに園児が置き去りにされて死亡した昨年9月の事件後、国が車内への園児の置き去りを防ぐ安全装置の設置を義務化したのを受け、松本市内の幼稚園や保育園で対策が進められている。送迎バスを使う13園のうち、ブザーなどで注意を促す装置を設置済みが7園で、4園が8月上旬、2園が年内にそれぞれ設置するという。厳しい暑さが続く中、各園は事故を起こさないよう安全装置に頼るだけではなくさまざまな対策を講じている。
市内には保育園が56園、幼稚園が16園、認定こども園が2園ある。送迎バスは私立の11園と、市立の乗鞍保育園と安曇保育園が使っている。私立の園は安全装置を設置済みか近日中に設置し、市立の2園は市議会9月定例会で関連予算を可決後に設置する。
園児約220人が通うささべ認定こども園(笹部3)は、市内でも最大規模となるバス6台で園児を送迎する。安全装置は順次設置を進めている。現状でも運転専門のドライバーと園児の送迎専門のスタッフを配置し、園児の下車後、スタッフの確認とドライバーの車内清掃、職員の出欠確認の「三重のチェック」(池田岳事務局長)で置き去り防止に気を配る。送迎専門のスタッフは「自分たちは必ず車内をチェックしているので、静岡の事故は信じられなかった」という。
乗鞍と安曇の2園は安全装置は未設置だが、バスを利用する園児が4、5人と少なく、職員や保護者のチェックで対応している。安曇保育園は昨年の事故を受け、マグネットシートを使って園児のバスの乗降を確認するようにした。百瀬あさ美園長は「事故を聞いて本当に驚いた。絶対に(置き去りを)起こしてはならないし、起きてほしくない」と話していた。