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平安時代の竪穴住居5軒確認 塩尻 五日市場遺跡発掘調査

平安時代の竪穴住居跡を発掘する作業員

 塩尻市教育委員会が7月から、桟敷の塩尻協立病院東側に隣接する畑だった約2000平方メートルで発掘調査を行っている。一帯は五日市場遺跡と呼ばれる。すでに平安時代の竪穴住居跡が5軒程度確認され、弥生時代の有力者の墓とみられる遺構も見つかった。調査は9月末までを予定している。

 発掘調査は病院の開発に伴う。病院の委託で、市教委が毎週火曜日と金曜日に調査を進めている。7月中旬に重機で厚さ20~40センチの耕作土を取り除いた後、7月19日から作業員が手作業で土をかき、住居跡の検出作業を始めた。
 8月1日も発掘調査が行われた。平安時代の住居跡は当時の床面が露出しており、土に埋もれたかまどの跡や、土師器などが確認できた。弥生時代の墓は周囲に溝がある「方形周溝墓」とみられ、今後調査を行う。平出博物館職員で、発掘担当の牧野令さん(39)は「想定よりも遺物の残りは良い。調査が進むことで、五日市場遺跡がどんな遺跡かが明らかになる」と話す。来年度に発掘調査報告書としてまとめる。
 五日市場遺跡の調査は5回目となる。4回目までに調べた約5000平方メートルからは弥生・平安時代の住居跡が見つかった。特に平安の住居跡は約50軒が見つかり、集落が形成されていたことがうかがえるという。
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 市教委は11、19日の午前9時半~11時半、五日市場遺跡の発掘現場で発掘体験会を行う。発掘調査の説明を聞き、実際に発掘体験を行う。現場近くの市立みずほ保育園駐車場に集合する。各日定員30人(先着順)。雨天中止。
 4日午前9時から申し込みを受け付ける。申し込みは平出博物館(電話0263・52・1022)へ。