政治・経済

譲渡後の収蔵物 筑北で活用保存の取り組み調査

村収蔵庫による活用保存の取り組みを山崎館長から聞き取るなど調査した川邊さん(右)

 筑北村西条の村収蔵庫(旧本城村民俗資料館・旧松本区裁判所西条登記所)で3月に行われた収蔵物の村民無償譲渡による活用保存の取り組みを調べようと、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)研究部特任助教の川邊咲子さん(34)がこのほど、村を訪れた。「民具の『緩やかな保存』の取り組み」について研究する川邊さんは、収蔵物の活用保存現場などを回り、村の取り組みの意義を調査した。

 川邊さんは、村歴史民俗資料館の山崎洋文館長と村教育委員会の洞圭司係長の案内で、村考古資料館(坂北)と村歴史民俗資料館(坂井)、旧村収蔵庫を回ったほか、東条八木のかやぶきの庵内部のいろりに取り付けられた元収蔵物の自在かぎなども活用保存の実例として調べた。
 活用保存の意義を尋ねられた山崎館長は「昔の暮らしの中で利便性を考えて作られたのが民具だ。田舎に移り住んだ人たちの中には民具の利用も魅力として楽しむ人たちがいる」などと話した。川邊さんは「大変興味深かった。民具の利用が、生活の中の『選択肢』の一つになることも大切」と話していた。