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特殊詐欺 AIで撃退‼ 前兆電話 専用装置で判別 木曽署で説明会 普及期待

AIを使った特殊詐欺の前兆電話を判別するサービスのデモンストレーションをする署員(装置は中央)

 AI(人工知能)を利用して電話でお金詐欺(特殊詐欺)を撃退―。木曽町新開の木曽警察署で9日、家庭の電話機に専用の装置をつけることで、AIが特殊詐欺の疑いがある電話を判別するサービスの説明会があった。被害防止につなげようと県警が家庭での導入に補助金を出しており、参加した署員や木曽郡内町村の防犯担当者は、被害に遭いやすい高齢者が多い木曽地域で広く活用されることを期待した。

 NTT東日本が提供する「特殊詐欺対策サービス」で、装置を付けた固定電話の通話内容を、AIが解析する。特殊詐欺が疑われると、事前に登録した県警や親族などの電話番号・メールアドレスに通知が届き、素早い安全確認や被害防止につながる。説明会にはNTTの担当者が訪れ、署員が犯人役や被害者役になり使い方を実演した。
 同署の小野武志生活安全・刑事課長代理は、詐欺の手口を知っていてもだまされてしまうケースが多いことを指摘し「電話がくると本人は冷静でいられなくなる。AIで周囲が危険を察知できれば被害防止につながる」と話した。木曽町総務課危機管理室の小野聖泰さんは「町内で1人暮らしの高齢の方も増えてきており、被害のリスクを感じている」と話し、警察と連携してサービスの周知を図りたい考えだ。
 補助金は、県内の65歳以上の高齢者の居住世帯か、その親族が対象。装置の設置を業者が行うと8800円、自分ですると4400円かかり、その半額を補助する。利用料は月額440円。NTT東日本は5000人を対象に利用料などの一定期間無償化も実施している。問い合わせは県警生活安全企画課(電話026・233・0110)や木曽署(電話0264・22・0110)へ。