教育・子育て

松本市小中学校のトイレ 進む洋式化

昨年度改修された旭町中の洋式トイレ

 松本市は、市立小中学校の校舎や体育館にあるトイレの完全洋式化を進めている。44校のうち、すでに完全洋式化が終わった四賀小と、校舎の長寿命化や改築の予定がある17校を除く26校を対象に順次工事を進めている。令和3年度からの3カ年事業で、本年度は総事業費約11億円をかけて12校のトイレ改修を予定する。改修が済んだ学校では、生徒から歓迎する声が出ているという。市は夏休みに合わせて工事を進める。

 市立小中学校の洋式トイレは、令和2年度末で総便器数に対して44%にとどまっていた。家庭のトイレの多くは洋式で和式が少ないことから、市教育委員会は国の補助を受けながら順次改修を進めてきた。昨年度までに14校で改修を終え、本年度末には洋式トイレの割合が80%に達する見通し。
 改修後の洋式トイレは温水洗浄式暖房便座となる。洋式化に合わせて床もタイル張りの湿式からビニール床の乾式に変更しており、トイレ掃除の負担軽減にもつながっている。
 旭町中は昨年度に改修が完了した。女子トイレは改修前は和式トイレ3基、洋式トイレ1基だったが、改修後は洋式トイレ3基となった。スペースの都合でトイレの総数は減ったが、「和式を嫌がる生徒もいて、みんな使いやすくなったと喜んでいる」(関雅夫教頭)という。
 改修が未定の17校でも、トイレの半数以上は洋式化されている。市教委は「改築などに合わせて10年後には全校の完全洋式化を実現したい」と話している。