議員選 上松、木祖 舌戦スタート 大桑は無投票 定数割れ 大桑村議に新人女性2人

統一地方選の後半戦となる上松、木祖、大桑の町村議会議員選挙が18日、告示された。上松町(定数10)と木祖村(同9)で立候補者が定数を1人ずつ上回り、それぞれ5日間の選挙戦に突入した。投票は23日で、即日開票される。大桑村(定数10)は、立候補者が9人にとどまり、定数割れでの無投票当選が決まった。
上松町では現職10人、新人1人が立候補し、平成19(2007)年以来4期16年ぶりの舌戦となった。多くの陣営が選挙カーで遊説に出掛け、町民へ地域活性化や観光振興、子育て支援などを訴えた。
町民からは久しぶりの選挙戦を歓迎する声が上がった。小川の男性(90)は「町を良くするためには選挙をやらなきゃ駄目。若者も立候補してくれたのはいいことだ」と話した。
木祖村では、現職7人、元職1人、新人2人が立候補した。選挙事務所前で第一声を上げたある候補者は「村民・村・議会のつなぎ役として頑張りたい」と力を込めた。別の候補者は「安心安全な地域づくりに取り組む」と訴えた。
木祖村が舌戦となるのは前々回選から3回連続。80代の無職男性は「選挙戦になれば各候補の考えが見える。大歓迎だ」と話した。
期日前投票は19~22日の午前8時半~午後8時、上松・木祖両町村役場で行われる。
大桑村議選は平成23(2011)年以来12年ぶりの無投票となり、現職5人、新人4人が当選した。現職の1人は「一身上の都合」で急きょ出馬を断念。定数割れとなったものの、新人の戸前寿乃さん(35)、纐纈悠乃さん(39)の若手女性議員が加わり、村議会は女性が半数近い4人となる。
午後5時過ぎ、自宅で村内放送から当選を聞いた纐纈さんは、夫や子供たちと喜び合った。戸前さんは自宅近くの親族宅で、集まった約10人に感謝と決意を述べた。ともに夫の出身地へ移り住んだ2人は親交があり、3月に政治団体・大桑ミライテラスを設立し、選挙の準備も協力し合い進めた。
木曽広域連合職員だった戸前さんは「経験を生かして課題に取り組み、地域に恩返しをしたい」と力を込めた。纐纈さんは5~13歳の1男2女を育てており、子育て世代の目線を生かして「住んでよかったと思える村づくりの力になれれば」と語った。
村選挙管理委員会によると30代の当選は38年ぶりで、昭和59(1984)年に貴舟豊村長(74)が35歳で村議補選に初当選して以来。