豊科近美「友の会」解散 活動31年 会員高齢化 新組織模索へ

安曇野市豊科近代美術館の運営を支える応援組織「豊科近代美術館友の会」が18日、解散し、平成4(1992)年の発足から31年間の歴史に幕を下ろした。会員の高齢化と減少が進む中、予定されている美術館の耐震改修工事で活動に影響が出るため、一度リセットしてあり方を見直すことにした。美術館が1年ほどかけて新しい組織を模索する。
友の会は美術館が開館した年に会員42人で発足。一時は約250人まで増えたが、高齢化で現在は約100人まで減った。会長を11年間務めた斉藤康子さんの後任も見つけられなかったという。
友の会では、研修旅行や読書会、彫像磨きや落ち葉掃きなどのボランティア、コンサート、絵画部による定例活動や展示、手仕事くらぶの講座、「友の会だより」や会報の発行などを行ってきた。今では同美術館の代名詞ともなっている、約500種類・1000本が植わっているバラ園の維持・管理にボランティアとして主力として携わってきた。
18日の総会で解散が承認された。美術館を指定管理する安曇野文化財団の長崎大幸理事長は開設の経過を振り返りながら、「美術館と地域の親近感や密着度を高めることを頑張っていただいたのが友の会」と会員の尽力と功績をたたえた。
斉藤会長は「美術館にとっても会員一人一人にとっても、新しい扉を開く記念するべき日になれば」と呼びかけた。総会後の茶話会で会員たちが思い出を振り返りつつ「新たな会で皆さんと会えたらうれしい」「明日に向けての解散と聞いてよかった」と、今後に期待を込めていた。
課題となるバラ園の維持・管理に向けては新たなボランティアの募集も予定する。清澤栄三館長は「今までのものを生かしながら新しい組織づくりをしたい」と展望した。