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楢川の風景、美しい短歌に 初のコンテストに151人応募

優秀賞を受けた土田さん(右から2人目)ら

 塩尻市楢川地区の風景画像を見て詠む短歌コンテストの結果がまとまり、このほど発表された。25都道府県の151人から寄せられ、最優秀賞に前沢佳菜子さん=横浜市=の「三歳の高さで見ようならかわの山と桜が手を繋ぐ春」が選ばれた。

 前沢さんは、桜の枝の背景に山が写った画像を見て詠んだ。10日に楢川支所で表彰式があり、審査員を務めた地元の歌人・七音さんは、山に桜がかぶさる様子を「手を繋ぐ」と表現した点をたたえ「『三歳の高さ』というところに優しさも感じた」と評した。
 優秀賞には同じ画像を詠んだ土田安子さん=塩尻市片丘=の「山菜の天麩羅蕎麦を食む吾は清し若葉の一芽とならむ」が選ばれた。土田さんは、大好きな天ぷらそばを食べると、全身が自然の中に溶けて自然の一部になる気がするといい「これを励みに短歌の勉強を続けたい」と喜んだ。
 秀作賞にはアイスキャンドル祭りの画像を詠んだ矢口恵子さ=松本市=の「約束を覚えていたのか今日ひとつ明日またひとつと雪兎くる」が選ばれた。
 審査員で塩尻短歌館指導員の藤森円さんは「楢川の風景からいろいろな表現が生まれた。すてきな短歌が集まり、楽しみながら選ぶことができた」と話した。
 コンテストは楢川地区の住民有志でつくり、地域活性化や桜の樹勢回復に取り組む「ならかわ桜プロジェクト」(酒井慶太郎代表)が初めて実施した。入賞作は同プロジェクトのホームページに掲載した。