政治・経済

県議選でのマスク着用は「臨機応変」 状況に合わせた選挙戦に

 新型コロナウイルス対策としてのマスク着用が、3月13日から屋内外を問わず「個人の判断」に委ねられたことを受け、4月9日投開票の県議会議員選挙の候補者はほぼマスクを外して選挙活動をしている。一方で総決起大会や個人演説会で多くの人が密集する場面ではほとんどの人がマスクをしており、各陣営は状況に合わせた対応で選挙戦に臨んでいる。

 松本市・東筑摩郡区に立候補した10人はマスクをせずに選挙活動に励む。ある候補は「選挙は顔が命。名前だけでなく顔を覚えてもらわないと」と話し、積極的にマスクを外す。別の候補も「候補者の顔が見えることが選挙活動で最も重要なこと」と同調する。
 マスクを外すことに慎重なある候補は、マスクをしてミニ集会に出掛けたところ、支持者から「表情を見たいからぜひ外してほしい」と言われ、その日以降は基本的に着用していない。
 陣営スタッフも着用を控えるケースが増えてきた。現職の候補者は「うちの陣営は完全に自己判断に任せている」と話し、気温が上がった日の屋外で、有権者と十分な距離が取れる場合は着用しない事例も目立つ。
 一方で、集会に集まる支持者はほとんどの人がマスクを着用している。2日夜に松本市内で開かれた現職候補者の総決起大会では会場の支持者約140人のほとんどが着用しており、出席した男性(68)は「密な環境なので着用した方がいいと判断した」と話していた。
 2年前、県内で新型コロナの第5波が猛威を振るう中、松本市・東筑摩郡区の補選を戦った候補者の一人は「明らかに当時と比べると対策は緩和されている」と話す。2年前は全く開けなかったミニ集会も回数をこなしているとし、「いまだコロナ対策は必要なものの、感覚としてはコロナ前の選挙に戻りつつあるのではないか」と話していた。