政治・経済

松本空港の利用者 25年ぶりに20万人超え

強い向かい風を揚力に変えて松本空港を離陸するFDAの定期便。コロナ禍の逆風を乗り超えて空港利用者数も急上昇している

 県営松本空港の本年度の定期便利用者数の累計が、2月までに前年同期比75.6%増の20万2353人となった。年間利用者数が20万人の大台を超えるのは平成9(1997)年度以来25年ぶり。新型コロナウイルス禍で抑えられてきた旅行需要が回復し、外国人旅行者も戻りつつある。今後は国際チャーター便の復活に期待がかかる。

 松本空港では冬ダイヤの現在、フジドリームエアラインズ(FDA)が毎日5往復(福岡2、神戸2、札幌・千歳1)の定期便を運航している。夏ダイヤは札幌・丘珠線と日本航空の大阪線も加わり、5路線7往復となり利便性が増している。FDAの定期便だけでも2月までに計19万7800人が利用しており、3月中に20万人を超えるのは確実だ。定期便の年間利用者数は令和元年度が14万8329人で、コロナ禍前の水準をも大きく上回った。
 FDAの楠瀬俊一社長は利用者の増加に感謝し、「松本空港がますます発展するよう、地域間交流人口増加の役に立つべく、努力を続けたい」と話す。
 国内チャーター便は2月までに72便が運航され、4081人が利用した。県は松本空港と沖縄県の離島を結ぶチャーター便を3月までに計10往復20便運航した。ただ、令和元年の127便には届いておらず、県松本空港課は「定期便が充実し、定期便を使って旅行商品ができるようになった。それでも目的地に直行できるチャーター便の魅力はある」と、今後の回復に期待する。
 国際チャーター便は令和元年度の44便を最後に途絶えており、県は来年度に10便の誘致を計画した。海外旅行需要も今後は回復が見込まれ、同課は「まずはコロナ禍前の水準に向けて施策を進めていきたい」としている。