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黒板アートに情熱注ぐ 松本の対馬むつみさん"70の手習い"

初の黒板アート展を開催した対馬さんと会場の作品

 松本市横田1の対馬むつみさん(73)が今月、初めての黒板アート習作展を同市浅間温泉1の手しごと館で開いている。"70の手習い"で描き始め「もっとすてきな作品を手掛けたい」との一心で腕を磨いてきた。個展の開催を決めてからは他の趣味を一時中断して制作に専念したといい「目標のある生活は大変でも楽しい」と、はつらつとした表情を見せている。

 澄んだ目の美しいベンガルトラや、色鮮やかな小鳥のコキンチョウ、知人の似顔絵、静寂に包まれた渓谷など題材豊かな二十数点を並べた。50色ほどのオイルパステルを使い分け、指先でぼかしたり光沢を出したりと技法を駆使しながら描いた力作ばかりだ。
 安曇野市出身の黒板アーティスト・錦鯉野アキコさんが同館で月1回開く教室に通い始めたのが3年前。「先生の教え方が素晴らしくて『私でも描けるんだ』と夢中になった」。通常の描画と違い下地の黒と白が反転していることで「陰影が自然と浮き出る魅力」にもはまった。何より教室の仲間や施設のスタッフなど周囲の存在が「大きな励みになった」と感謝する。
 3カ月前に習作展の開催を決め、他の習い事をお休みして準備してきたという。「形にできてほっとした。また3年くらいしたら開こうかしら」と目を細めている。31日まで午前10時~午後4時で木曜定休。入場無料。