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食材ピクトグラム外国人に好評 アレルギー事故防止にも 縄手通りのたい焼き店・ふるさと

ふるさとのメニューボードに記載されている小麦や卵のピクトグラム

 松本市の中心市街地・縄手通りのたい焼き店「ふるさと」は、メニューボードにオリジナルのピクトグラム(絵文字)を記載して、それぞれのメニューの材料に何を使っているのか一目で分かるようにしている。アレルギーのある人や外国人観光客も安心して購入できると好評だ。
 6年前に店舗をリニューアルしたのに合わせてメニューボードを新調し、市内を拠点に活動するデザイナー・アカネボンボンさんが手掛けた「小麦」「卵」「豚」など5種類のピクトグラムを導入した。それまでは、日本人では卵、外国人ではナッツについて、使用の有無を聞く人が多かったが、導入後は格段に減った。ナッツのピクトグラムはないものの、記載がないことで、使われていないことを聞かずとも確認できるようになった。
 ピクトグラム導入の狙いは、アレルギーによる事故を防ぐとともに、増え続ける外国人観光客への対応がある。昨年1年間の会計数3万9022のうち、外国人は4566(欧米系2443、アジア系2123)で、全体の約8分の1を占めた。店主の山本桂子さんは「新型コロナウイルス感染症禍で減ったが、昨年あたりから増えてきた」と感触を話す。こうした状況を受け、市もオリジナルのピクトグラム作成を計画しており、本年度当初予算に業務委託費836万円を盛った。
 山本さんによると最近、欧米系の人たちの中に簡単な日本語を話す人が増えており「リピーターや長期滞在の人では」とみる。店は縄手通りでいち早くキャッシュレス決済を取り入れるなど、外国人観光客向けの対応を進めてきた。山本さんは「松本は歩いて楽しい街。快適に過ごせるようにこれからも対策を考えたい」と話している。