出産の喜びを写真で紹介 松本で助産師2人が企画

市民から寄せられた出産にまつわる写真を紹介し、命の誕生の瞬間に思いを寄せ合う「お産の写真展」が9日、松本市渚3のあゆみ助産院で始まった。共に助産師の上滝彩香さん(31)=松本市里山辺=と中山野花さん(32)=同市城山=が主催。出産には十人十色の道のりや選択肢があることを示すことで「母子も家族も満たされるお産が実現するように」との願いを込めている。10日まで。
はじめての抱っこは、あたたかくて、ふわふわで、小さくて、愛おしさがいっぱい溢れた―。
出産を経験した母親や父親の言葉と共に、44枚の写真を並べている。撮影場所は病院、クリニック、助産院と一枚一枚異なり、陣痛の長さも立ち会う家族も人それぞれ。帝王切開で産んだ人、低体重だった新生児など「正解、不正解はない、全てがかけがえのない命の誕生」(上滝さん)が写し出されている。
カメラマンでもある上滝さんが1月に、岐阜県で同様の写真展を目にして一念発起した。SNS(交流サイト)や口コミで賛同者を募ったところ、県内外から写真が寄せられたという。中山さんは「日々育児に追われて忘れがちなあの日の感動が一枚一枚を通してよみがえってくる」と話す。
上滝さんは、出産の満足度と産後うつの相関関係を指摘し「どこで、どんな出産にしたいかは一人一人違っていい。それぞれの選択の先に幸せに満ちたお産があるように」と話している。午前9時~午後4時(午前と午後のワークショップ中は入場不可)。