木曽町に移住 令和6年度過去最多 20~30代が半数 子育て施策ニーズに合致

木曽町に令和6年度に移住した人は前年度から10人増え、過去最多の83人に上った。移住希望者向けの情報発信を強化した4年度以降、移住者数は急増。子育て世帯を含む20~30代の移住が目立ち、生活環境の良さや町の子育て施策が移住ニーズに合致しているとみられる。
年代別では20代が27人、30代が14人で、合わせて全世代の約半数を占めた。移住先の地区は福島が45人、日義が22人で、町内・郡内企業で働くために交通の利便性が高い地区を選ぶ傾向がみられた。
移住者の前居住地は「県内」が38人で最も多かった。県外から県内他地域に移住した人が、人とのつながりがより感じられる「田舎」を求めて木曽町に移る「ワンバウンド移住」(町移住定住係)も多いという。「関東」が24人で2番目に多かった。
移住理由の聞き取りでは「都会の消費活動に疲れた」「自然豊かな中でのびのびと子育てできる」「都市部の暑さが耐えられなくなり、生活の質向上のために移住を決めた」など、暮らしの面で同町に価値を見いだす声が聞かれた。
町移住定住係の岩井航太係長は、必要な交通網や店舗、公共施設がそろった適度な利便性と、自然、古民家といった地域資源が合わさって「一流の田舎」と評価されていると説明する。
4年度以降の累計移住者数は、町総人口の50分の1に当たる約200人に上る。岩井係長は好調な移住実績を喜びつつ、空き家バンクへの登録促進を通じた住宅供給対策などを進めたいとし「(移住者呼び込みの取り組みを)まだまだ高めていける」と話した。