政治・経済

昨年度の安曇野市ふるさと納税 寄付件数9384件で過去最多に 返礼品の開拓課題 

 応援したい自治体に寄付すると所得税や住民税の控除が受けられる安曇野市の「ふるさと納税」で、昨年度の寄付件数は9384件と過去最多だったことが、市のまとめで分かった。前年度に比べて39・1%増と大幅に伸びた。寄付額は前年度比11・2%増の6億5754万円で、市が目標としている6億円を3年ぶりに超えた。
 

 市によると、全国的にふるさと納税に対する興味・関心が高まっていることが伸長の主な要因という。総務課は「安曇野市に興味を持っていただける方が増え、観光などで関わりを持っていただければ」と期待する。
 寄付件数の伸びに比べて寄付額の伸びが小さいのは、返礼品の主力を担っている豊科のパソコンメーカー・VAIOの製品に低価格帯が増えたことが関係しているという。これまでは50万円以上の寄付が必要だったが、35万円以上で選べるようになった。18万5000円の寄付で選べるモバイルディスプレーも人気を集めた。
 市が扱う返礼品は毎年増えており、昨年度はリンゴや飲料品など327品だった。パソコンだけでは限界があるため、返礼品の開拓が一つの課題になっている。本年度は400品近くまで増やすことを展望しており、市商工会の協力で工業製品を増やす考えだ。
 11日には、市のふるさと納税を扱う寄付サイトに大手の「さとふる」が加わった。総務課は「ふるさと納税は税収を増やすという目的に加え、安曇野を発信する重要なコンテンツになっている。これをきっかけに(観光などで訪れる)関連人口をもっと増やしていきたい」とする。