松本市シェアサイクル事業の利用好調 6年で3.5倍 イーバイクも配備へ

松本市と民間事業者が共同で行っている有料貸し出し自転車「シェアサイクル事業」の利用実績が伸びている。6年目となった昨年度は、事業を始めた令和元年度と比較して利用者数が3.5倍、利用回数が3.8倍となった。市民や観光客の足として定着してきており、来月から新たにスポーツ仕様のe―BIKE(イーバイク)5台を配備して、ツーリングを楽しめる環境を整える。
民間事業者の資料を基に市がまとめた5年度のデータ(複数回答)によると、利用目的として一番多かったのが「観光・レジャー」の61.1%で、「買い物などの日常利用」38.9%、「通勤」30%と続いた。観光客と市民の両方に利用されている実態が浮かび上がる結果となり、市自転車推進課は「休日も平日もコンスタントに利用があることが、事業が安定して行える裏付けになっている」とする。
利用実績の伸びに伴ってステーション数と自転車の台数も増えており、初年度は14カ所・100台だったのが、昨年度末は37カ所・160台となった。利便性の向上が利用実績を押し上げている。
来月導入するイーバイクは松本駅北自転車駐車場に配備し、返却も同じ場所となる。利用は11月末までで、料金は最初の30分が300円、以降15分ごと150円(上限12時間で2000円)とする。走行距離は95~140キロで、従来のシェアサイクルの2倍走れる。15日の定例記者会見で、臥雲義尚市長は「既にイーバイクを導入している安曇野市との連携も検討したい」と広域周遊に意欲を示した。