そばの魅力、夫婦で発信へ 24日から麻績・市野川の村施設活用

麻績村市野川の国道403号沿いにある村大峠農村公園活性化センターで24日、そば店「手打ち蕎麦 木」が新たに営業を始める。筑北村乱橋のそば職人・菅野智樹さん(50)、由紀さん(51)夫婦が初めて構える店だ。菅野さん夫婦は、店名にちなんで「地域住民や観光客のみんなが集える〝大きな木〟に育てられたら」と思い描いている。
旧善光寺街道沿いでもある木造平屋の村施設で、約20年前に地域住民が始めた飲食店が前身。4月から菅野さんの店が指定管理者となった。現在はオープン準備を進める。筑北地域産のそば粉と自家製そばつゆにこだわった十割そば、季節の山菜などの天ぷら料理を提供するほか、作家を招いた陶芸・工芸の作品展や、由紀さんが麻績村内で復興に取り組むカラムシ(苧麻)などのワークショップも計画する。近隣でソバも栽培したいという。
智樹さんは福島市出身。地元の高校を卒業後、福島県内のそば店で腕を磨いた。平成23(2011)年の東日本大震災を経て約10年前に家族で筑北村へ移住した。知人の紹介で電気関連の仕事をしていたが、そば打ちの腕を生かして松本市内のイベントでそばを提供してきた。
自身の店を開く夢は、筑北地域産のそば粉で打ったそばのうまさに魅了されたことや、自ら打ったそばを麻績村の人たちが喜んでくれたことが力になったという。智樹さんは「自分たちを温かく受け入れてくれたご縁を大切に安心して立ち寄れるお店にしたい。何より麻績・筑北のそばのおいしさを知ってほしい」と願う。