異動・進学シーズン到来 松本市役所窓口で案内係が奮闘

春の異動・進学シーズンを迎えて松本市役所の市民課窓口が混雑する中、来庁者を案内する「フロアマネジャー」が奮闘している。市職員OBの大蔦富久さん(72)が務めており、開庁時間の午前8時半~午後5時15分は立ちっぱなしで案内し、混雑緩和に一役買っている。年度末の3月31日は待ち時間が最大2時間に達したが、大蔦さんら市職員が対応し、目立った混乱や苦情はなかった。
大蔦さんは市民課窓口が最も混雑する3月17日~4月14日の期間限定で任務に当たる。窓口の番号札を出す発券機の前に立ち、来庁者一人一人に声をかけて番号札を渡す。「転入してくる人の松本の第一印象が決まる場所。座っていては対応が遅れるし、迅速かつ丁寧な対応を心掛けたい」と語る。
信州大学に入学するため宇都宮市から転入してきた堀江海成さん(18)は「発券からの案内がスムーズでストレスが全くなかった。松本市に良い印象を持ったし、これから始まる1人暮らしが楽しみ」と話した。
市民課は混雑解消のため臨時窓口を2カ所増やし、休日窓口も開設している。さらに年度が替わった1日からマイナンバーカードを利用してコンビニエンスストアで住民票などの証明書を取得する「コンビニ交付」を開始。2年間限定で手数料を現在の250~300円を一律100円にして利用率の引き上げを図る。
市民課の臼井美保課長は「コンビニ交付の普及で『行かない市役所、待たない市役所』の実現を目指したい」と話す。とはいえ、コンビニ交付は始まったばかりで市民課窓口の混雑は当面続くとみられる。大蔦さんの出番はまだまだ続きそうだ。