厳かに仮殿へ遷座 松本の会田御厨神明宮で21年に1度の式年遷宮祭始まる

松本市会田(四賀地区)の会田御厨神明宮(大塚利彦宮司)で22日夜、ご神体を本殿から仮の本殿に移す「仮殿遷座祭」が営まれた。21年に1度の式年遷宮祭の始まりとなり、地元住民約50人が見守る中、神職や氏子総代、四賀地区の住民による実行委員の約30人が厳かにご神体を仮殿に運んだ。
午後6時に始まり、ご神体が入った箱を抱えた大塚宮司が白い布で覆われた「絹垣」に入り、本殿から出発した。雅楽を奏でる神職たちに続いて本殿前の階段を下り、西側にある仮殿への坂をゆっくり上った。日も落ちて暗くなり、氏子総代らが持つちょうちんの明かりだけとなる中、笛の音色と神職が発する「オー」という声が響き渡った。宮本の会社員・本郷史也さん(26)は「(前回の式年遷宮祭で)稚児行列に参加したというが覚えていない。幻想的で感激した」と語った。
実行委祭典委員長の松澤強さん(74)=岩井堂=は「21年に1度のことなので分からず大変なことも多いが、皆さんの協力で行うことができた。伝統を維持していきたい」と話していた。
本殿はシロアリによる腐食や雨漏りなどの修繕をする。来年6月にご神体を本殿に戻す「正遷座祭」と稚児行列などの「奉祝祭」を行う。