旧上田小見学 記憶に刻む 民間企業が産業拠点に 住民 改修前に備品もらう

学校統合に伴い平成24(2012)年に閉校した、木曽町新開の旧上田小学校の校舎見学と備品譲渡会が23日、開かれた。校舎は民間業者に無償譲渡が決まっており、新年度の早い段階にも、木の産業拠点としての活用に向け改修工事が始まる予定だ。大勢の地域住民が訪れ、慣れ親しんだ学びやの姿を記憶に刻んだ。
校舎2棟や体育館など施設全体が開放された。閉校当時の児童たちの作品や、「卒業おめでとう」といった黒板の言葉が残っており、訪れた人たちは思い出を語り合いながら歩いて回っていた。
学校の備品が希望者に譲渡され、卒業文集や音楽用のアコーディオン、理科の模型などが引き継がれた。体育館にあった校歌を刻んだ木版も、地域の公民館分館が引き取った。
同校卒業生で、閉校年度のPTA会長を務めた地元の下條春彦さん(59)は「当時の恩師に渡したい」と学校記念誌などを持ち帰った。「校舎の赤い屋根は故郷の原風景。いろいろな思い出がよみがえるね」と懐かしんでいた。
見学・譲渡会は町教育委員会が開いた。