ラジオ放送開始100年 松本の博物館で企画展

大正14(1925)年3月の日本のラジオ放送開始から100年を記念した企画展が15日、松本市筑摩3の「日本ラジオ博物館」で始まった。米国で世界初のラジオ放送が始まった頃から、日本で放送が始まった頃までの受信機や関連資料約30点で、ラジオ放送の「草創期」を伝えている。
大正10年にアマチュア無線家が自作した受信機がある。ダイヤルや金具などほとんどが手作りといい、無線通信を求める当時の人の熱がうかがえる。放送開始翌年の国産ラジオは高級家具のような外観で、相場情報を求める富裕層が「設備投資」として高価な品を購入した時代を伝える。
ラジオ放送は、大正9年に米国で始まった。国内では、大正12年の関東大震災で情報途絶に伴ってデマが横行した反省から放送開始を求める声が高まり、14年の放送開始につながったという。ラジオ博物館の岡部匡伸館長(61)は「ラジオというメディアが生まれた頃の雰囲気を感じてもらえたら。あれから100年、ネットラジオの普及などメディアの状況は変わっているが、ラジオ放送の形式は残っていくだろう」と話している。
企画展は12月14日まで。土曜日曜祝日のほか、大型連休中や夏休み期間の正午から午後4時まで開館する。問い合わせはラジオ博物館(電話0263・27・2535)へ。