教育・子育て

感謝を胸に巣立つ 高校や中等教育学校で卒業式

式を終えて晴れやかに退場する卒業生(松本蟻ケ崎高校)

 中信地方の多くの高校や中等教育学校で1日、卒業式が行われた。卒業生は晴れやかな表情で式に出席し、充実した学校生活を振り返った。教員や後輩から激励を受け取り、感謝の気持ちで学びやを巣立った。

 松本蟻ケ崎高校(松本市)では273人が門出を迎え、式では代表者が卒業証書を受け取った。鳥谷越浩子校長は「卒業を迎えた皆さんを誇らしく思う。自身を見つめ、歩む道を見極め、しっかり進んでほしい」と願った。卒業生代表の篠塚彩乃さん(18)は、かけがえのない時間を過ごせたことに感謝し「3年間で得た学び、喜び、出会いの全てを抱き、これからも力強く生きていく」と決意を述べた。
 穂高商業高校(安曇野市)では97人が卒業した。保護者らが見守る式典で、卒業生代表であいさつした元生徒会長の小沢伸二さんは、新型コロナウイルス禍による行動制限を余儀なくされたことなど3年間の思い出を語り、先生たちや家族の支えに感謝を述べた。その上で「私たちが歩む世の中はコロナ禍を経て大きく変わりつつある。この学校生活、18年間で学んだことを軸に自分なりのペースで歩んでいこう」と仲間たちに呼び掛けた。
 蘇南高校(南木曽町)では70回生44人が学びやを巣立った。村松義晴校長は式辞で、町内では40年ぶりだった今冬の大雪に際し、率先して雪かきをした卒業生をたたえた。「行動にこそ価値がある。無心で取り組む姿はわが校のあるべき姿を現していた。誇らしかった」と振り返り、後輩の手本となった姿勢に感謝した。卒業生の答辞は麦島勝男さんが務め「3年間で得た学びや経験を糧に力強く前に進む」と決意を述べた。
 松本秀峰中等教育学校(松本市)はまつもと市民芸術館で行い、10期生82人は宗像諭校長から卒業証書を受け取った。宗像校長は感染症禍など不安な時期を乗り越えた苦労をたたえ「卒業後も人生の節目にあるまだ見ぬ扉を開く勇気を持ち、何事にも挑戦してほしい」と激励。卒業生代表の6年生・宮下凌一さん(18)は「6年間で学んだことは間違いなく力になると信じている。誇りと自信を胸にこれから先の未来をまい進したい」と決意を述べた。