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リンゴのサンふじ「実割れ」多発 降雨や猛暑の影響か

横に大きく亀裂が入ったサンふじ

 収穫最盛期を迎えているリンゴの主力品種・サンふじに、大きな亀裂が入る「実割れ」が中信地域で多発している。安曇野市内の生産者は「大量のリンゴが大きく実割れするのは初めて」と事態を深刻に受け止めている。県農政部によると、県内の主要産地から同様の報告があり、「急激な降雨など気候変動が影響している可能性がある」と分析している。

 「ツルの周りにひびが入ることはあったが、今年は横や縦に大きく割れるリンゴが大量に出ている。こんな事態はかつてない」。同市三郷温の生産者・石曽根光徳さん(54)は、大きく亀裂が入ったサンふじを見せてくれた。
 石曽根さんは「例年以上の夏の暑さで表皮が日焼けして硬くなったのに加え、10月に雨が多く、急激に水分を吸ったため割れたのではないか」とみている。
 JAあづみは「猛暑など温暖化の影響かどうかははっきりしない」としながらも、「今年は9月も気温が高く、加えて集中的な雨や風もあった」と指摘する。
 今年は、日焼けなど高温障害とみられる着色不良も各地で確認されている。着色不良は中生種のシナノスイートで特に深刻だったほか、サンふじも例年より多いという。大きな実割れや日焼けは生食用の規格外となり、ジュースなど加工用に回る。今年は加工用にもできず廃棄処分となるリンゴも多い。
 同市内の生産者からは「加工用は例年1割に満たないが、今年は2割近くになるのではないか」「傷などの集荷規格を緩和して、JAにはより多く買い取ってもらいたい」といった声も聞こえてくる。
 JAあづみ管内のリンゴ生産農家は約600戸で、サンふじの出荷量は県内一を誇る。同JAは「糖度は高く、味は例年と変わらず間違いなくおいしい」としている。