松本市のオンライン相談窓口 浸透半ば 市が周知に力
松本市が市内4カ所に設置している「オンライン相談窓口」の利用が低迷している。市役所に出向かなくても各種相談や専門的な手続きができる窓口として昨年10月に開設したが、今年10月末までの1年間の総利用件数は延べ226件で、1カ月間で1度も使われない窓口もあった。ただ、市民対象のアンケートで7割以上が利用してみたいと回答しており、市は窓口をPRするポスターを新たに作り周知に努めている。
オンライン相談窓口は市の波田支所と四賀支所、なんなんひろば(芳野)、イオンタウン松本村井(村井町南2)に入る子育て支援施設「あんさんぶる」に設けられている。パソコンやタブレット端末、カメラ、プリンターなどが置かれ、市の担当部署と直接やりとりができる。「本来は市役所までこなければできない相談をオンラインでできるのがメリット」(市民相談課)とする。
市のまとめだと、1年間の利用実績は波田支所が137件と最も多く、次いで四賀支所が38件、あんさんぶるが28件、なんなんひろばが23件、このほかに移動端末での相談が10件あった。相談項目では、税や年金が104件と最も多く、国民健康保険や医療制度に関してが50件だった。
市がインターネット上で実施した市民アンケートでは、回答した1518人中、窓口を知っていたのは17%にとどまった。一方で利用してみたいとの回答は70%を超えた。市民相談課は「潜在的な利用希望はある。オンライン相談窓口で何ができるかをPRする体験会などを実施していく」と話している。
オンライン相談窓口は、市役所新庁舎建設を見据えた取り組みで、市DX推進本部は「従来の市役所窓口と同等の相談から申請までの一体的なサービスが提供できるように実証実験を進めていきたい」としている。