教育・子育て

「選択式階段」効果あり 県ケ丘高の森遥紀さんが設置して研究

松本駅お城口に設置された選択式階段と、調査を行う森さん

 松本市の松本駅お城口の階段に、2択の質問をプリントし、階段を上ることで投票できる「選択式階段」がお目見えした。質問で興味を引き自発的な階段利用を促す仕掛けで、松本県ケ丘高校探究科2年の森遥紀さん(17)がクラウドファンディング(CF)で資金を募って設置した。階段利用による健康増進が目的で、設置前後の階段とエスカレーターの利用者数を比較したところ、設置後の階段利用率が設置前と比べ2.5%上昇した。

 森さんは同校の探究学習で、生活の中に自然に運動を取り入れられる仕組みづくりに取り組む。仕掛けは10月21日に設置し、調査では設置前後の各1週間、帰宅時間帯の平日午後6~7時に、階段とエスカレーターの利用者を数えた。設置前後ともに、1時間に1日平均約1600人が駅を利用。設置前の階段利用者はうち39.3%だったが、設置後は41.8%と増加した。
 調査中に、大きな荷物を持った人がエスカレーターの混雑からやむを得ず階段を使う場面を幾度も見かけ、健康な人が当たり前に階段を使う必要性を感じたという森さん。「階段利用率は増えたが、その理由が選択式階段とは断言できない。もっと強制力のある仕掛けを考えたい」と話す。大勢のCFへの協力に感謝し「今後も探究を続ける」と意欲を見せている。設置は8日まで。