ノンフィクション作家・柳田邦男さん 信大に蔵書1万5000冊寄贈

信州大学は昨年、ノンフィクション作家・評論家の柳田邦男さんから蔵書約1万5000冊の寄贈を受け、松本市旭3の松本キャンパス内にある中央図書館に、「柳田邦男文庫」を開設する準備を進めている。寄贈記念の柳田さんの講演会を10日午後2時40分から館内で開き、市民にも聴講を呼び掛けている。
柳田さんは一時、松本への移住計画があり、一足早く蔵書を移した後で計画変更となったため、親交の深い信大名誉教授を介して昨年10月に寄贈した。ノンフィクションや災害・事故などのドキュメント、昭和史・戦後史の文献、政財界の人物伝をはじめ幅広くそろい、多くの自著も含まれる。
信大中央図書館では講演会に向け、所蔵する柳田さんの著書と寄贈本の一部を入り口正面に展示している。同館は「書き込みのある本も見られる。熱心に調べて執筆されていることがうかがえ、学生の刺激にもなるのでは」としている。
講演会は「"生と死"の現在―ノンフィクション作家の眼でいのちを見つめて60年―」と題し、冒頭に贈呈式が行われる。オンライン配信もある。参加無料で定員は会場60人、配信300人。図書館ホームページなどから申し込みが必要で、定員に達し次第締め切る。問い合わせは信大中央図書館(電話0263・37・2172―平日)へ。