塩尻市立体育館、需要衰えず 年間3万人が利用 安価な施設使用料が魅力
塩尻市立体育館(大門六番町)の利用が堅調だ。築57年の古い施設ながらも年間利用者が約3万人いて、稼働率も100%近くとなっている。利用料が安価なのが魅力の一つで、令和3年4月に代替施設として市総合体育館ユメックスアリーナが開館して以降も、いまだに市民の需要が高い。
市立体育館を週1回、午前に利用するソフトテニスの団体「広丘テニス」は、70代を中心に15人が所属する。65歳以上の利用料の減免措置を活用していて、代表の林明利さん(76)は「年金生活なので助かる。ここに集まってプレーするのが生きがい」と話した。
同館の利用者数は平成29(2017)年度に3万5906人(柔剣道場、相撲場除く)だったが、新型コロナウイルス禍の令和2年度に2万506人と落ち込んだ。4年度に2万4022人、5年度に2万6781人と回復してきた。高校の部活動での利用もあり、午前、午後、夜間のどの時間帯も利用可能日は稼働している。一方、総合体育館は昨年度に開館時の4割増の11万511人が利用した。
各施設の利用料は、市体育施設条例や市総合体育館条例で上限が定められ、それに基づき指定管理者が運営している。
市立体育館は昭和42(1967)年7月の建設だ。鉄骨鉄筋コンクリート造一部2階建てで、床面積は延べ2602平方メートル。アリーナは1416平方メートル、388席ある。平成19(2007)年度に約1億9000万円かけ耐震改修した。
ただ、つり天井の構造で、レザンホールと同様、現行の建築基準法の施行令が示す安全基準に対する強度が不足する「既存不適格」の状態になっている。
市はこれまでに市立体育館の廃止、解体の時期は明確にしていない。天井撤去の必要性も踏まえ、市社会教育スポーツ課は「総合的に判断し施設の今後の方針をなるべく早く策定していく」とする。