熊出没 気をつけて! 木曽地域 県が警報 広域対策チームが巡視

県の「ツキノワグマ出没警報」を受け、県木曽地域振興局が主体となった「広域連携クマ対策チーム」が20日、南木曽町内の熊出没箇所をパトロールした。熊の生息地でもある森の中を散策するハイカーが多いという木曽地域の特徴を踏まえ、妻籠宿と岐阜県中津川市を結ぶ旧中山道・馬籠峠を点検して熊の痕跡を把握し、住民や観光客への周知徹底の必要性を再確認した。
道中にある無料休憩所・一石栃立場茶屋の周辺を巡視した。ひっきりなしに行き交うハイカーのほど近い場所に立つ高さ約10㍍のクルミの木の上に、熊が樹上で木の実などを食べた後に残る熊棚が確認できた。「クルミやクリの木などは誘因物。伐採が望ましい」「地権者を『探す』ことから始めなければいけない」などの声が上がっていた。
木曽地域の8月の目撃情報は55件(前年同期比5件増)だった。木曽地域振興局林務課の下澤幸典・鳥獣対策専門員は「急増という状況にはないが木曽は『分母』となる数字が比較的大きい地域。防除と捕獲の両対策を並行して確実に進めていく必要がある」と話していた。
熊による人身被害が相次いだことから県は今月9日、熊の目撃情報が多い木曽や大北など県内5地域に警報を発出した。各地域振興局が地元の自治体などと連携し、被害発生地点や目撃箇所を中心に広域的にパトロールを実施している。