松本市の丸ノ内中学校 建て替えへ

松本市は本年度、丸ノ内中学校(宮渕3)の校舎建て替えに向けた基本設計に着手する。現校舎は築60年以上と老朽化が進み、令和13年度の新校舎完成を目指し、総事業費約51億円をかけて改築する。伝統を重んじながら、デジタル時代に即した先進性や快適性を備えた校舎にする。
現校舎は昭和26(1951)~32年にかけて落成した、市立中学校で最も古い校舎だ。2~3階建ての鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)の建物が複数あり、延べ床面積は計約5000平方メートル。昨年12月に全生徒・教職員に実施したアンケートで、現在の基準より10平方メートル以上狭い約60平方メートルしかない教室の狭さや、一部和式となっているトイレの改善を求める声などが上がったという。
改築に当たっては▽快適性▽共有化▽伝統―の3点に重点を置く。教室は十分な広さを確保してエアコンを設置し、トイレや渡り廊下を改良する。異学年が交流できるスペースを設置するほか、デジタル技術活用も推進する。学校のシンボルとなっている管理棟の「自治の鐘」も、伝統を守る観点から残す方向で検討している。
本年度一般会計予算(6月補正)に基本設計委託料4022万円を計上している。基本設計の期間は来年度までの予定で、8年度から実施設計に入り、着工は10年度を見込む。工事期間中はプレハブの仮設校舎を設置する。
市教委学校教育課は「新たな学びを豊かにする学校建築にしたい」としている。