地域の話題

木・森の学び 産業創出に 木曽谷・伊那谷フォレストバレー 木曽で始動のフォーラム

フォレストバレーが描く未来像をテーマに行ったトークセッション

 木や森に関する教育機関や試験研究機関が集まる木曽谷と伊那谷を「フォレストバレー」と名付けて人材育成や産業創出の拠点にしようと、県が旗振り役となって準備を進めてきたプロジェクトが8日、始動した。両地域の関係機関や自治体などでつくる運営協議会が同日発足。木曽町文化交流センターでキックオフフォーラムを開き、木や森の学びと企業の未来像への思いを共有した。

 一帯には県林業大学校(木曽町)や木曽青峰高校(同)、県上松技術専門校(上松町)をはじめ、信州大学農学部(上伊那郡南箕輪村)や上伊那農業高校(同)といった各教育機関などが点在する。主催者を代表して阿部守一知事は「関係機関を有機的に結び付け、『木や森を学び、起業するなら木曽谷・伊那谷へ』という流れを生み出したい」と力を込めた。
 トークセッションがあった。プロジェクトが目標の一つに掲げる「技術革新の創出」について、上松技専卒業生で町議の小林信彦さんは「異業種との連携が重要」と指摘。特殊伐採などに携わる木曽町の千村格さんは「六次産業化に目を向けて」と注文した。県林業大学の卒業生で伊那市の企業で森を生かした事業に関わる榎本浩実さんは「文化になる事業。成果を求めすぎないで」と語った。