松本マラソンの不正会計 松本市会が第三者の検証要求 今年の大会中止を了承

松本マラソン2023大会(実行委員会主催)の不正会計処理問題で、松本市議会は2日、議員協議会を開き、大会運営を検証するため今年の大会を中止するとした市の方針を了承した。客観性を持たせるため、検証に第三者が関わることを求めた。不正を行った実行委事務局の市スポーツ本部職員の処分と実行委員長の臥雲義尚市長の給料減額は、検証結果を議会に報告してから行うことも求めた。
エントリー数が目標を大幅に下回った2023大会は苦しい運営となり、実行委員会は運営受託者の信濃毎日新聞社に委託料の減額に応じてもらったものの、約1520万円の赤字となった。大会イメージの低下を懸念した実行委事務局の市スポーツ本部職員らが、不正な会計処理で約75万円の黒字へと操作。2024大会で回収する見通しだったが逆に赤字が膨らみ、累積額は約4380万円に上った。実行委員長の臥雲市長は今年2月に経緯を把握。その後、金額の精査や赤字要因を整理し、4月23日の実行委総会で公表された。
議員協議会では、市の本年度当初予算案に今年の大会開催に向けた負担金が盛られていたことから、経緯を把握した後に予算を上程した臥雲市長の姿勢をただす意見があった。臥雲市長は、2022大会から受託者に委託料の減額を依頼していた苦しい大会運営事情に触れ、「報告を受けた時点で開催が難しいことは認識していた。計上しなかったら例年開催してきたのになぜ、と指摘を受けることになる。事実解明を優先した。申し訳なかった」と陳謝した。
市議会の了承を受け、市は今後、累積赤字分を市の負担金として実行委員会に支払い、受託者への未払い金4594万円に充てる。
臥雲市長も検証には第三者が必要との認識を示し、来年の大会開催の可否を見据え、遅くとも年内には行いたいとした。実行委員会形式の問題点についても指摘があったことから、市が関わる41の実行委員会のあり方について庁内組織で検討する考えを示した。