2025.5.1 みすず野
下見をしておいた里山へ木の芽を採りに行った。サンショウの木はどこにもあるといってもいいくらいに生えていて、車を止められる場所の近くできれいな緑色の葉を摘んだ◆目的は木の芽みそづくり。レシピはスマホで簡単に調べられる。目安となる量は150グラムほどとある。集めるのに時間はかからない。誰かが採り忘れたタラの芽も少しあった。ワラビはまだ早そう◆ここから少々力仕事。フードプロセッサーを使うと楽にできる、とあったが、その後、すり鉢ですりつぶしたという投稿もあり、最初からすり鉢を使う。すりこ木は昔からの定番サンショウの木。すり始めて強烈な匂いに驚いた。30分ほども続けただろうか。サンショウの葉はひと塊に。家の中はこの匂いが充満してアゲハチョウになった気分だ◆詩人、随筆家の薄田泣菫は万人の鼻に嗅ぎつけられる匂いが「料理をしすぎた燃える炭火、料理をしたりない溶ける脂肪」の二つあるというイギリスの詩人の言葉を引いて「木の芽や、またそれと同じような働きをするものをこれに附け加えて、料理の風味を添える匂としたい」(『艸木虫魚』岩波文庫)と記している。