新体操WCで金・銀・銅メダル 花村さんが松本凱旋「故郷の応援が力に」

新体操日本ナショナル選抜の団体チーム「フェアリージャパンPOLA」の松本国際高校2年・花村夏実さん(16)=WingまつもとR.G.所属=は、今月中旬まで開催されたワールドカップ(WC)2大会で金、銀、銅の三つのメダルを獲得した。大会後、2カ月ぶりに松本市に帰郷すると、家族やクラブの仲間ら大勢が祝福。世界の舞台で成長を遂げたホープは「故郷の応援が力になった」と笑顔を輝かせた。
ソフィア大会(4~6日、ブルガリア)の団体総合で銀、種目別ボール・フープで銅メダルを獲得。バクー大会(18~20日、アゼルバイジャン)の種目別ボール・フープで金メダルを手にした。
ジュニア時代に国際大会を経験しているが、トップカテゴリーのシニアになってからは今回が初。それでも「国際試合は緊張しない」という強心臓ぶりを発揮し「楽しんで演技できた」と振り返る。これまで積み上げてきたものを全て出し切り、最大の目標に掲げる3年後のロス五輪に向け、確かな成長を実感できた大会となった。
一方、「中国やイスラエルなど強豪国の選手は練習から動きの質が高く、技術だけでなく内からのエネルギーを強く感じた」。花村さんは身長169センチで、日本団体チームで一番高い。手足も長く、美しい演技を表現する素地は十分にある。しかし、強豪国の演技を目の当たりにし「魅力的に体を大きく見せる技術が足りていない」。世界水準に触れたからこその課題を得た。
海外遠征は1カ月にわたり、5月2日には再び東京に戻って練習漬けの日々が始まる。つかの間の休暇を松本で過ごし、母親が作る大好物の具だくさんの豚汁を存分に味わった。高校にも久々に登校し、友人と他愛もない会話を楽しんだ。「新体操以外のことこそ演技の深みに関わってくる。大切にしたい」と語る。
充電期間を経て、次は7月のWCミラノ大会(イタリア)、8月には世界選手権も控える。地元の声援を力に、さらなる成長を誓う。